火に油


 祭りに行きますと、夜店の後ろには発電機が回っていて、灯りのための電気を供給しています。昔は、カーバイドに水を加えてアセチレンを発生させて、それを燃やしていたそうです。

 ある学生が試薬棚の古い試薬を整理していた。奥から出てきた錆だらけの缶からカルシウムカーバイドが出てきた。いつ購入したのかも分からないくらい古いものなので、処分することにした。
 ドラフトの中で水を流しながら薬さじで少し加えると、カーバイドの粉はアセチレンガスが泡を発しながらなくなった。少しずつ加えていたが、残っている量の多さにげんなりした学生は少しずつ大胆になっていった。発生する泡も勢いを増し、辺りに粉を撒き散らしながら消えた。その時、アセチレンが燃え始めた。焦った学生は慌てて水をかけたが、周辺に飛び散った粉にまで燃え広がり、火に油を注いだ状態になった。結局、ドラフトの扉を閉めて燃え尽きるのを待つしかなく、少し離れたところで「爆発はしませんように」と祈っていたのであった。

禁水性の化合物から出た火を鎮火するのは難しいものがあります。そのような場合は消火器を使うべきでしょうね。そうなる前に、慎重に取り扱うようにしましょう。