元の木阿弥


 昔、筒井順慶という武将がいましたが、まだ小さい頃に父親が病死してしまいましたが、戦国の世に公表することは非常に危険でしたので、順慶が成人するまで木阿弥という人を父親の替わりにして、外来者を欺いていました。しかし、順慶が成人してなくなっていることを公表したために、木阿弥は元の身分に戻ってしまったという話があります。

 ある学生がドライアイス−アセトン浴を用いて低温の実験を行なっていた。最初は順調であったが、冷媒に用いているアセトンがかなり減っていることに気付いた。ドライアイスが気化する時に溶媒も一緒に揮発したものと思われる。学生は静かにアセトンを追加した。温かいアセトンが入ってくると、ドライアイスが一気に気化するのではないかと思って慎重に加えたが、思ったより静かであった。そこで、学生はさらにアセトンを加えてみたがやはり静かであった。とその時、いきなり海底火山のように噴き上がり、辺りは溶媒が飛び散ってしまった。慌てた学生が拭き掃除をしながら冷媒を見ると、元の状態に戻っていたのであった。

新たに加えたアセトンは温度が高いために比重が軽く、上の方に留まっていたのですが、冷やされて沈んだ途端、ドライアイスに触れて一気に気化したものと思われます。慌てず、様子を見ながらするべきでしたね。