不釣り合い


 何事にも釣り合いというものがあります。不釣り合いの場合、全てがうまくいかないという訳ではありませんが、多くの場合は何かしらの問題点を抱えているものです。

 ある学生が反応の準備をしていた。先生には「朝からしっかり仕事をしろよ」と言われているのであるが、生来の要領の悪さが祟って反応を仕込むのが夕方になってしまった。夕方になると、他の学生が実験器具を使い果たした後なので、多くの器具が出払っていた。
 ナス立てにナス型フラスコを置いて、溶媒を入れようと思って、引き出しを開けたが漏斗が全て出払っていた。いや、正確に言うと、1つだけ大きな漏斗が残っていた。学生は「大は小を兼ねるとも言うしな」と誰にともなく呟きながらその漏斗を取り出し、フラスコの口に挿した。その途端、フラスコがくるりと回転し、実験台の下に落ちて大破してしまったのであった。

この場合は小さなフラスコの上に重たい大きな漏斗を挿したがために、重心が高くなりひっくり返ってしまったのです。器具には、その大きさに見合った器具を使うべきですね。