手術前


 通常、熱いものを持つ際は素手だと火傷をしてしまいますので、手袋をはめます。一口に手袋と言っても、ゴム手袋、革手袋、軍手などがあり、状況に応じて手袋を選ぶ必要があります。

 ある学生がドラフトチャンバー内で実験装置を組み立てて、湯浴を用いて加熱し始めた。しかし、ドラフトチャンバーの扉を閉めようとすると、湯浴が手前に設置されていたために引っ掛かることが分かった。そこで、学生は後輩を呼んで、自分が湯浴を持ち上げている間に、実験装置を奥に移動してもらうことにした。早速軍手をはめて、加熱を始めて熱くなった湯浴を持ち上げた。後輩が器具を動かし始めた時、湯浴を持っていた学生は少しバランスを崩し、お湯が手にかかった。軍手に染み込んだお湯が非常に熱かったが、後輩にお湯をかけてはいけないと思い、実験器具が移動されるまで耐えた。
 その時間はそれほど長くはなかったが、手袋を外した両手は、誰の目にも明らかなように火傷を負っていた。保健管理センターで処置をしてもらった学生の両手は包帯が巻かれており、手術室に入る前のお医者さんのように両手を掲げていた。その後、1週間誰か他の人に手伝ってもらいながら食事やトイレをしたのであった。

加熱したり冷却したりした液体がかかる可能性がある時は、軍手のように染み込む素材の手袋を使わずに、ゴム手袋をはめるべきです。他の人に手伝ってもらって用を足すのは手伝ってもらう方も手伝う方のいずれもが嫌でしょうから、そのような状況にはなりたくないですからね。