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 高価な分析機器は複数の人が共同で使います。皆が同じように使えば問題はないのですが、人によって使い方や注意の払い方が違ってきますので、故障などのトラブルの原因になることがあります。

 ある学生がマススペクトルを測定しようとしていた。何回も通い慣れた道のように、操作もルーチン化していた。制御するコンピュータを立ち上げ、機器を"Acetivate"するためのアイコンをクリックしようとしたところ、それがどこにも見当たらない。どこを探しても見つからないので、先生に報告をした。その前に測定した学生が何か変わったことをしたのではないかと考えた先生は、その学生に測定した時の様子を尋ねた。
学生「測定を終了した時に、"De~なんとか"というメッセージが出たんで、押したんです」
先生「"Deactivate"というボタンを押さなあかんのに"Delete"というボタンを押してしもたんちゃうか」
学生「そうかもしれませんけど、英語のメッセージやったんでちゃんと読んでないです」
先生「そう言うても、ちゃんと先輩から教えてもろたやろ」
と言いつつ、学生が先輩から測定方法を教えてもらった時に書いたメモを見せてもらうと、そこには"Delactivate"との文字があり、思わず「どっちやねん!」と突っ込んでしまったのであった。

ちょっとした使い方の間違いで多くの人に迷惑をかけてしまいます。使い方に迷った時は、そのまま突っ走るのではなく、きっちり理解している人に尋ねなければなりません。そして、普段と違う様子が見られたら、些細なことでも構いませんので、先生に報告をするようにしましょうね。