太陽に吠えろ!


 かつて「太陽に吠えろ!」という刑事ドラマが大ヒットしました。数々の名場面がありますが、やはり殉職シーンが印象に残っています。その内のいくつかは、今でもパロディ化されていますし、音楽もよく使われています。

 ある学生が硝酸銀を用いて原料を大量に合成をしていた。反応が進むにつれ、沈殿が生じ、反応系の粘度が高まるので、強力な磁石のマグネティックスタ-ラ-を使って、勢い良く撹拌していた。しかし、その勢いも沈殿の量が増えるに従って弱まり、そしてついに踊り始め、当然の結果として、反応容器が割れてしまった。大量の試薬を失ったことと、汚れた実験台の処理で疲れた学生は、家に帰ると何もする気が起きず、すぐに寝床についた。
 翌朝、いつも通りに起きて研究室に来て、普段通りの生活を始めた。太陽が昇り、窓から光が差し込むようになった頃、異変が生じた。それまでなんともなかった手が、徐々に黒ずんできて、幼稚園児がお絵描きした後の手のようになった。学生は自分自身の変化に驚き、松田優作のごとく「なんじゃ、これは!」と叫んだのであった。

マグネティックスターラーは手軽に扱うことが出来ますが、粘度が高い溶液や懸濁液を撹拌する場合は、設置が面倒でもメカニカルスターラーを使うべきですね。