味変


 最近グルメ番組で「味変」という言葉をよく耳にします。元々の意味は違うようですが、同じ味が続くと飽きるので、途中で味を変えることのようです。

 ある学生が研究室みんなのために麦茶を作っていた。1リットル容器に麦茶のパックを入れ、ポットから湯を注いでしばらく冷ました後、冷蔵庫でさらに冷やすといういつもの作業をして実験室に向かった。ひとしきり実験をして喉が渇いた学生は、先ほど自分が作った麦茶をコップに注いで一口飲んだ。しかし、口の中には麦茶の味というよりは酸味か苦味かが強く、思わず吐き出してしまった。「もしかしたら勘違いかも」と思ってもう一度口に含んでも、同じ味であった。「異物混入か!」とも思われたが、体に異変があるわけでもなかったので、その麦茶を捨てて新たに作り直した。
 そういう話を他の学生にしていたところ、「あー、ポットを洗浄しようと思ってクエン酸を入れてたんやわ」との言葉。それを聞いた学生は少し拍子抜けするとともに、「毒物でなく良かった」と胸を撫で下ろしたのであった。

「変な味」がする時は、他の人に知らせるとともに、それ以上飲んだり食べたりしないようにするべきですね。