他の人のために何かしてあげることは良いことです。しかし、時としてそれが迷惑な行為になることもあります。
ある学生がNMRの測定をしていた。そろそろ終わるという頃、次の順番を待っている学生がタイミングよく入ってきた。実験結果を早く知りたくて仕方がなく、待ちきれなかったのである。ホルダーに試料をセットしている姿を見て、測定していた学生は試料交換を任せることにしてエアーのスイッチをオンにした。試料を持った学生が、マグネットから出てきた試料を取り出そうとしたところ、少しバランスを崩してホルダーごと床に落としてしまった。当然のことながら、チューブは割れ、サンプルが床に飛散してしまった。
「ごめん！大事な試料やったんちゃうん」と謝られた学生は悪気がないことを分かっていたので、「NMRで反応追跡してた」とは言えず、「測定が終わったから大丈夫ですよ」と答えるしかなかったのであった。
一口にサンプルと言っても、沢山あるうちのごく一部であったり、安価なものであったりする一方で、数日間かけて作ったり効果であったりすることもあります。他の人の試料を扱うときは気をつけなければなりませんね。