スポイトやピペットは普段、頻繁に使う実験道具の１つであると思います。液体を移し取るものですので、下を向けたままにしておくと、先からポタリと落ちることがあります。なので、習性としてつい横に向けてしまいますが、今度は中の液がスポイトの頭の方に流れ込むことがあります。
ある学生はスポイトを横に倒して先を上に向ける癖があった。先生からはそれが見つかるたびに注意をされていたが、なかなか直すことはできなかった。ある日、学生が硫酸をスポイトで取ろうとしていた。しばらく実験していると、手に熱い感覚を感じた。気のせいかと思っていたが、どんどん熱くなるので、これは気のせいではないと思い、スポイトを見ると、頭の部分が破れて黒くなっていた。学生が慌てて手を洗ったのはいうまでもない。
硫酸を垂らしてはいけないという思いが強いために普段以上に横に向けていたのでしょうね。かと言って、実験台に硫酸を垂らされるのも問題ですが。