たかがペン、されどペン


 機械を長期間にわたって使用していますと、機械は丈夫でまだまだ使えるのに、他の事情で使えなくことがあります。機械が壊れたのならまだあきらめもつくのですが・・・。

 ある研究室で測定機器について1つの問題が生じていた。20年以上使用していたとはいえ頑丈であり、まだまだ現役として活躍しているのであるが、問題はプリンタである。プリンタはペンを動かすタイプのものであったが、そのペンのストックがなくなりかけていた。かといって、レーザープリンタを繋ぐには測定機器の方が古くて対応していない。先生が出入りの業者に注文しても、「もう製造されてないんで無理ですわ」との返事。代替品とかでもいいからと粘ってはみたが、対応しようともしてくれなかった。
 困った先生はもう1つの出入り業者の人に相談をした。その人はあちこちに問い合わせてくれたり、代替品の見本を取り寄せたりと親身になって動いてくれた。その甲斐あって、ストックの最後の1本を使い切る前に入手することができた。数ヶ月後、先生は幸いにも予算を獲得して、その測定機器の更新が可能になった。親身に対応してくれた業者に真っ先に連絡したのは言うまでもない。最初に対応してくれなかった業者がその情報を耳にした時にはすでに遅く、測定機器が納入された後であった。

普段から不誠実な対応をしていると、いざという時に周りの人は助けてもらえなくなってしまうものです。できれば困った時に助けてもらえるような人間関係を構築しておきたいものですね。