休みなし


 新年度が始まって1ヶ月経ちますと、ゴールデンウィークという長期の休みに入ります。普段から一生懸命働いている人はゆっくりと休むことができますが、休み期間中も働いている人(あるいは物)もいます。

 ある学生がゴールデンウィーク明けの朝に研究室にやってきた。休み前にどんなことをやっていたのかを思い出すことも兼ねて実験台の整理をしていた。その時、後方でカチッという音がするのが聞こえた。学生がそこに行ってみると、エバポレータの水浴の無残な姿が目に入った。電源を切り忘れることがあっても1日程度なら、水が少し減っている程度で済むことが多いが、今回は何日もの間、休みなしに加熱されていた。水はとっくになくなっており、ヒーター部分を覆っているパイプは熱で融け落ち、中の電線がむき出しになっており赤く発熱していた。
 学生は慌てて電源を抜き、冷めるのを待ってから電線を触ってみると、いとも簡単に崩れ落ちた。それを見た学生は「休みの間に火事にならんで良かった」と胸を撫で下ろしたのであった。

実験室で特に注意をしなければならないのは加熱系の器具です。真っ赤に熱せられた電線に紙などが落ちたりしますと火事になってしまいます。普段から注意が必要ですが、連休に入る前にはきっちり確認をしておかなければなりませんね。