サイドアタック


 実験の失敗や事故は、自分が注意していればある程度防ぐことができます。しかし、いくら注意していても不可抗力的に起こることもあります。

 ある学生実験で二又試験管を使って気体を発生させる実験をしていた。先生は「試薬をたくさん加え過ぎたら、気体がいっぺんに出てきて危ないからな」と注意していた。ある学生はそれを聞きながら慎重に実験を行なっていた。もちろん、先生の忠告を無視して大量に試薬を加えるなんてもってのほかである。ところが、隣で実験をしている学生はそうではなかった。大胆にも試薬を大量に加えてしまったので、気体が激しく発生し、ゴム管はその圧力に負け試験管の中身が飛び出した。それでも自分の方には向けないという最低限の注意を守っていたので、かかることはなかった。しかし、試験管の中身は隣で慎重に実験をしている学生に向かって飛び、眼鏡の横から目に入ってしまった。
 先生の指示で10分以上流水で目を洗い、保健管理センターを通じて連絡してあった眼科医に連れて行ってもらった。幸いなことに目には異常はなかったが、後日、保険の手続きなどに煩わされ、「僕はなんも悪いことしてへんのに、なんでこんな目に遭うん!」という怒りが続いていたのであった。

他の人が原因で事故に遭うこともあります。言い換えると、自分のミスで他の人に迷惑をかけるようなことはしたくないですよね。