ガラス器具というものは、丁寧に扱わなければ割れてしまいます。とはいえ、不注意で割れてしまうこともあります。ただ、割った時に、だまって隠そうとするのは、故意であり、不注意よりも罪は重くなります。
ある日、先生が研究室を見回っていると、廃ガラス入れにエバポレーターの受器が捨てられているのを見つけた。残念なことに、球状の部分はどうもなっていないのに、口の部分が割れており、もはや使うことはできなかった。買うとなると、結構な値段がする。先生は、近くに気まずそうに立っている学生に事情聴取を始めた。
「これはいつ割ったんや?」
「一昨日です」
「なんで、すぐに報告せえへんねん?」
「高そうなもんやったんで、怒られると思うて」
「あほか!! 報告せえへん方がもっと怒るわ。」
「ところで、どういう風にやったらあんな割れ方するねん?」
そこで、学生は言葉に詰まって答えられずにいたが、先生の圧力に負けて到頭
「受器を水洗いした時に、揺すってたら流しの角にぶつけてしまいました」と白状した(口を割った)。
失敗をしたら、その場で報告して素直に謝りましょう。隠して後になればなるほど、言いにくくなりますしね。