椿


 椿といえば椿油や緑と赤のコントラストなどの理由で、非常に人気の高い花の1つです。しかし、昔の武士は花がポトリと落ちる様子を見て縁起の悪い花と思っていたそうです。

 ある学生が溶液調製をしていた。試薬をクロロホルムに溶解させるだけなので、簡単な作業である。学生はその溶液を頻繁に使うので、大量に作っておこうと思い、1リットルのエルレンマイヤーフラスコ(三角フラスコ)を用いた。
 試薬は少し溶解性が悪かったので、撹拌する必要がある。学生はフラスコの首を持ち、大きな円を描くように水平に揺らした。フラスコの底に溶け残っていた試薬の量は徐々に少なくなっていった。仕事をして成果が目に見えるというのは気分の良いものである。そこで、学生は回転させる速度を上げた。その時、ガラスの割れる音とともに突然腕が軽くなった。あたりはクロロホルムの海が広がり、学生の手にはフラスコの首が残っていたのであった。

三角フラスコは安定感があり、実験台の上に置いても転ばないのでよく用いられます。しかし、反応や減圧するような場面では使われません。それは非常に歪みのかかった形をしているので、強度が弱くなっているからです。この学生の場合、クロロホルムを大量に入れた状態で振り回したものですから、その重みに耐えかねて割れてしまいました。フラスコの下をもう一方の手で支えていれば、割れることもなかったのですけれどもね。