化学の専門家といっても、当然ながら何もかも知っている訳ではないのですが、時に妙な相談を受けることがあります。
ある日の朝、先生のところに研究室の学生から電話がかかってきた。
「先生、アロマキャンドルって知ってます?」
「何や、それ?」
「燃やすと良い匂いがするロウソクなんですけど。」
「それがどないしたん?」
「火を着けたら、下の受けに落ちてしまったんですよ。部屋に煙がこもるし、吹き消そうとしたら火が周りにも広がってしもうて。どないしたら良いですか?」
「濡れ雑巾を被せて、火を消せよ。」
暫くして、火が消えた旨のメールが届いたが、朝っぱらからロウソクを燃やしていたことの理由は分からず仕舞いであった。
部屋の中で火が燃えていたにも拘らず、落ち着いて電話をすることができたのは、アロマセラピーの効果があったのかもしれませんね。