昔ながらのボードゲームに「すごろく」があります。サイコロを振って出た目の数だけ駒を進めますが、時にはふりだし（スタート地点）に戻らなければならないこともあります。
ある先生が学生実験で大量に出た重金属廃液を前にして考えていた。重金属の入った溶液と、その後水洗した１回分の洗液を捨てるように指示を出したのだが、学生たちは気を利かせたのか、先生の話を聞いていなかったのか、２次洗液や３次洗液まで捨てたので、大量の廃液を出すことになったのである。廃液処理業者に依頼するにしても、かなり高額になることは間違いない。そこで、廃液の入ったバケツを外に出しておき、天日で濃縮することにした。
梅雨が明けて、毎日良い天気が続いていたので、水位は順調に下がっていた。ある日、いきなり暗くなったと思うと、激しい夕立が降り始めた。バケツを外に置いたままにしていることを思い出した先生が、慌てて外に出てみると、バケツは元の水位を取り戻していたのであった。
ものを買うだけでなく、廃棄する際にも費用がかかります。廃棄にかかる費用はできるだけ節約して、必要な試薬や器具を買う方に回したいものですね。