分析機器は非常に高額です。自動車から家が買えるまで、その金額には幅がありますが、容易に買える金額ではないことは間違いありません。しかし、導入してそれで終わりという訳ではありません。使用していると故障することもありますが、その修理代が馬鹿にならないからです。

 ある先生は頭を悩ませていた。年度末に分析機器の1つが故障して、修理代に400万円かかると言われたのである。ないと困る機械なので、学長のところに行き、次年度から100万円年賦で返済する約束で、大学から借金をして済ませた。
 しかし、納得がいかないことがある。修理に来た技術者が言うには、電圧を見ながら検出器の感度を調整するべきであるが、全くそれがなされていなかったために故障したとのことである。しかし、誰もそのことを教えてもらっていないので、調整していなかったのは当然である。代理店を通じてその旨を伝えたところ、やってきた営業の人は「名刺を切らしたのでお渡しできません」という言葉に始まり、全く悪びれた様子を見せなかった。先生は「このメーカーの製品を積極的に貶めることはせんけど、他の人に薦めるのは絶対にやめとこ」と思ったのであった。

営業の人は大勢いる社員の一人かもしれませんが、顧客側からすると会社の代表として来ていると思いますので、変な態度を取られると、それがその会社の方針のように思われてしまいます。仲介した代理店の顔にも泥を塗ることになります。会社の顔であると自覚をしてもらいたいものですね。私も偉そうには言えませんけれど。