欲をかくと損をする


 ギャンブルでも投資でも、「もう少し」と思って欲を出すと損をすることが多いようです。逆に「無欲の勝利」という言葉もありますので。

 ある学生が再結晶をしていた。静置しているフラスコを見ると、溶媒の底に結晶が析出していた。板状結晶であり、純度も高そうである。そこで、学生は次の実験の予定を考え始めた。この結晶を使って解析をしたいし、反応もしたい。しかし、それをするにはもう少し結晶が欲しい。そこで、もう一晩静置して、よりたくさん結晶を取ることにした。
 翌日、フラスコを見ると、結晶の量が増えていた。しかし、オイル状の不純物も析出して結晶にベットリと纏わり付いていた。結局、もう一度再結晶をやり直さなければならなかったのであった。

きれいな結晶が析出した時は、その時点で一次結晶を取っておき、母液を静置して析出した二次結晶を取ります。当然のことながら、前者の方が純度が高いので、混ぜないようにしましょう。失敗したとしても、失敗したところからやり直せば、取り出した結晶全てを無駄にする必要もないですしね。