一口に試薬と言っても安価なものから高価なものまで、その値段にはかなりの幅があります。これは作りにくいから高いなどの理由があるのですが、中には別の理由で高くなっているものもあります。
ある学生が溶媒倉庫に行くと、エタノールが残り僅かになっていた。先生に頼んで購入してもらおうと思ったが、不在であった。仕方がないので先輩に尋ねてみると、「他の試薬と同じように注文したらええんちゃう」とのことであった。それを受けて、学生はエタノールの一斗缶を１つ注文した。
数日後、伝票をチェックしている先生は「エタノール 28000円」と書いてあるのを見て驚いた。しかし、気付いた時はすでに遅く、学生が開封をした後であった。先生は学生を呼び、エタノールは普通に買うと酒税法の関係で高いこと、実験室で使う安いエタノールは別途申請して買わなければならないこと、お酒の飲み過ぎは身体に悪いことなどを諭したのであった。
その学生は、エタノールを大切に使ったことでしょうね。しばらくの間は。