最近のドラフトチャンバーには、作業面積をできるだけ広く取るために、水道の蛇口や流しが壁に埋め込まれているものがあります。
ある学生がドラフトチャンバーの中で反応を仕込んでいた。ナス型フラスコに試薬と溶媒を入れ、玉入り冷却管を取り付けた。冷却水のホースも差し込んだが、水漏れしては大変なので結束バンドで留めて加熱を始めた。しばらくすると、背後で何やらピチャピチャという水がこぼれるような音が聞こえた。振り返ってみると、ドラフトから本当に水が溢れ、床が水浸しになっていた。
学生は慌てて水道の蛇口を閉めて、周りの学生に助けを求めた。そのような時の手助けは心強いものである。水を排出させる者、雑巾で床を拭く者、水で濡れた器具を片付ける者など、手分けをして対応した。そして、研究室の学生の固い結束によって、後始末を無事に終えたのであった。
結束バンドを使用したので安心したのでしょうが、しっかりと閉めていなければ、少し高めの水圧で外れてしまうことがあります。「以前のようにドラフトの作業面に流しが付いていれば、そこから流れていくだけだったのに」と思っても仕方がありません。これが夜中だと大惨事になります。冷却水を流す実験は終夜で行なわない方が良いですね。