コロナ嘉


 この2年間のコロナ禍で私たちの生活は大きく変わりました。日常生活においてもマスクをする生活が定着し、その風景に違和感を覚えなくなってしましました。

 ある学生が反応混合物のNMRを測定するために試料の調製を行なっていた。しかし、溶媒に溶けずに漂っている固体が残っていた。そのような試料を用いてNMRを測定しても分解能が上がらず、きれいなデータが得られないことはすでに経験済みである。そこで、学生は液クロの試料の前処理に用いるシリンジフィルターを使ったろ過をすることにした。
 注射器で試料溶液を吸い上げ、先端にフィルタを取り付けてプランジャを押すと、固体が除かれた液が先端から出てきた。その様子に気を良くした学生はさらに力を込めた。その瞬間、プシュッという音とともに飛沫を浴びた。眼鏡に液滴が付いているのを見て「眼鏡をしてて良かった」と思った。その後にマスクを外すと、マスクにも点々と染みが付いており、「コロナでマスクをしてて良かった」と初めて思ったのであった。

突然、試薬が飛び散って浴びるということがあります。その時のために保護眼鏡をすることは必須です。今回はマスクをしていたために、顔全体が保護されており、結果的に顔に飛沫が掛からなくて済んだのはラッキーでしたね。