不支持


 実験をしてある程度まとまった結果が出ますと、それをまとめて学会で発表し、最終的に論文としてまとめます。論文は短い文章で簡潔にまとめなければなりませんので、全ての情報を盛り込むことができません。それを補完するためにSupporting Informationを別途作成します。

 ある学生が論文を書いていた。3報目ともなると、少し書くことにも慣れてきたように思えた。論文がようやく完成したので、次は投稿するのみである。先生に相談したところ、「投稿するのも経験やから、自分でやってみるか?」と言われ、学生が自分ですることになった。もちろん、要所要所は先生のチェックを受けながら。論文のファイルとサポーティングインフォメーションのファイル「SI.docx」を選んでアップロードをして、投稿のプロセスを終えた。
 数日経った頃、少し時間ができたので、パソコンのファイルを整理していると、先日投稿した論文のサポーティングインフォメーションのファイルがあったので、何気なく開いてみた。すると、そこには今回の論文ではなく、前に雑誌に掲載された論文のタイトルが現れた。ファイルを取り違えて投稿したことに気付き、雑誌の事務局に連絡したが、すでにレフェリーに送られているので、どうすることもできないとのことであった。数日後、審査意見が返ってきて、レフェリーに取り違えていることを指摘されたものの、それによって不採択にされることはなかった。学生は論文を修正して、今度は慎重にファイルも間違えずに再投稿して、無事に「掲載可」の通知をもらったのであった。

パソコンの中のファイルは似たような名前のものが並びがちです。ファイルの取り違えなどのトラブルを防ぐためにも、名前は区別できるようなものを用い、フォルダで整理をしておくべきでしょうね。