当然のことながら、ガラス器具は割れるものです。ただ、その割れ方には、仕方のないものから、割らずに済むものを不注意で割ってしまうこともあります。
ある学生が器具の洗浄をしていた。器具には色々な形をしたものがあり、洗剤を十分にすすぐ必要がある。学生は分液漏斗を手に取り、抽出をするかのごとく激しく振りながら、中を洗っていた。ただ、普段と違っていたのは、そこが流し台であったということである。分液漏斗が蛇口にぶつかり、砕け散ってしまった。
分液漏斗の上下のコックが、右手と左手のそれぞれに残っている様子を見て、学生はおかしさがこみ上げてきた。そして、そのおかしさを誰かに伝えたくなった。学生は新しい分液漏斗を持ってきて、他の学生に見せながら「こないして分液を洗うてたらな、割れてしもうたんよ」と説明したが、運悪くまたもや蛇口に当たって割れてしまった。その時、たまたま目撃した先生は大きく口を開けたまま、「誰か、わしの開いた口を塞いでくれ！」と叫んだのであった。
実験台は広いのですが、流し台は狭く蛇口も飛び出しています。ぶつけないように気を付けて洗わなければなりませんね。