小さい頃から積み木やブロック遊びを沢山している人は、どのような形の時に安定で、どのような形の時に倒れやすいかを経験的に知っています。
ある学生が分液漏斗を使った抽出をしようとしていた。実験台にフレームが取り付けられていると、そこに分液漏斗を設置できるので便利であるが、学生が使っている実験台には取り付けられていなかった。そこで、スタンドを持って来て実験台の上に置き、そこにリングを付けた。そこに500 mLの分液漏斗を載せ、抽出対象の水溶液と溶媒を入れて分液漏斗を振った。
振り終わった分液漏斗をリングの上に置いて静置させようとしたところ、スローモーションのようにスタンドと分液漏斗が傾いて倒れてしまった。分液漏斗は割れ、中の溶液は実験台と床にぶち撒けられ、一瞬にして悲惨な状況になってしまった。しかし、学生は何が起こったのかを理解することができず、呆然と立ち尽くしていたのであった。
スタンドが倒れる理由としては、２つ考えられます。重心が高いところに重たいものを載せたのが１つ。もう１つは載せたものが重い割に、スタンドが軽すぎたことが挙げられます。このような重たいものを載せる時は、雲形スタンドのように足元がしっかりしたものを使うべきですよね。