適材適所2


 実験器具にはそれぞれ役割があり、使い方も定められています。でも、「こうしなさい」と言われると、少し逆らってみたくなる感情も理科できます。

 ある学生で炭酸ナトリウムの水溶液を調製する必要があった。先生は三角フラスコに炭酸ナトリウムを必要量入れ、その上に水を加えて溶解させるように指示を出した。ある学生は、その日にアルバイトの予定を入れていたので、いかにして早く帰るかを考えていた。そこで至った結論は「メスシリンダーの中で溶液を調製すれば、後で洗浄する器具が1つ減り、効率化ができる」というものであった。
 早速にその案を採用してみることにした。メスシリンダーに炭酸ナトリウムを入れ、水を加えたものの、そこに粉末が残ってなかなか溶けない。攪拌しようと思っても、スパテラでは短くて底に届かないので、あちこち探し回った結果、ようやくガラス棒を見つけた。しかし、攪拌しようにも狭い空間では、ガラス棒を十分に動かすことができず、ようやく溶液を調製した頃には、他の班はとっくに次の段階に進んでいたのであった。

ガラス器具の形状はそれぞれの役割を果たすために決まっています。そこに他の役割を押し付けても、うまく対応できないのは、人間も同じなんでしょうね。