失敗をした時に重要なのは、冷静に対処するということです。そこで、焦ってしまいますと、傷口をさらに広げてしまう結果になることもあります。
ある学生がオイルバスを使って加熱実験をしていた。最初は順調であったが、そのうちに天ぷらを揚げるような音がし始めた。先生が「オイルバスに水が入ってるんちゃうか」と注意したので、学生が反応装置を見てみると、玉入り冷却管と冷却水を流している管の繋ぎ目が緩んで、水滴が滲み出していた。その緩みを直そうと、手を触れた瞬間、さらに緩み、水が噴き出し始めた。
焦った学生は、噴き出している箇所を指で押さえて水を止めようとしたが、蛇口が開いたままでは止まるはずもない。スプリンクラーのように水が周りに飛び散り、本来なら濡れなくても良い場所まで水で濡れる羽目になった。そこには、隣の実験台の学生が広げていた実験ノートも含まれていた。濡れた場所の復旧を終えた学生は、順番に他の学生達に詫びて回ったのであった。
自分一人で収まる失敗なら自業自得と諦められるところですが、他の人を巻き込んだ失敗は迷惑をかけた分、落ち込みも激しくなります。できれば、そのような失敗はしたくないものですね。