たんい


 普段の生活でも何気なく使っている単位ですが、「5キロ」と言ったとしても、聞いた人は状況に応じて「5キロメートル」なのか、「5キログラム」なのかを判断しています。

 ある学生が先生に実験の指示を仰いでいた。先生は「この反応では、アミンが触媒として働くから、5ミリぐらい入れとけばいいわ」と言った。学生は「はい、分かりました」と答えて、実験を始めた。反応が終わり、後処理も終えて、反応混合物のNMRを測定したところ、思っていた以上に複雑なスペクトルが得られた。
 学生がそのことを先生に報告すると、先生は「おかしいなあ。そんなに副反応が生じるような系やないんやけど。」と言い、最初から実験手順をチェックしていくことにした。仕込んだ試薬の量を訊かれた学生は「アミンを5 mL入れました」と答えた。先生は「5 mgのつもりで言うたんやけど、溶媒量入れたら上手くいくもんもいかんわなあ」と言い、「ちゃんと単位を言わへんかった僕が悪いねん」と反省したのであった。

「キロ」とか「ミリ」は単位ではなく103や10-3の意味です。単位をしっかりと使う癖をつけておかなければなりません。「%」も「パー」略さずに、「パーセント」と言うべきですね。