ガラス器具を使いますと、洗浄して汚れを落とします。そして、また使うことができるのが利点です。

 ある学生が注射器を使って反応を仕込んでいた。使い終わった注射器を見ると、少し茶色に着色していた。それを見た先輩が「ちゃんと洗うとかへんかったら、くっついてしもうて、使えんようになるで」と注意をした。学生は注射針を外して、溶媒を吸っては出すという洗浄を数回繰り返した。「最後の一押し」と思って、少し力を加えると、注射器の先が飛んでいき、先輩の鼻先をかすめた。突然の出来事に、先輩は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。
 もはや注射器ではなくなったガラスの筒は、実験の記念碑として学生の机の上に飾られた。そして、卒業するまでの1年の間にガラスの筒は4本に増えていたのであった。

「ガラスは割れるものである」ということを知らない学生は結構います。丁寧に扱うように心掛けなければいけませんね。