優先順位


 あることが気になってどうしようもない場合があります。でも、いくつかの事案がある時には、優先順位をつけて対処しなければなりません。

 ある4年生の学生が油浴を用いて加熱実験をしていた。加熱をし始めてしばらくすると、パチッと音が聞こえた。冷却管の接続部位を見ると、隙間が開いていたのか、水滴が現れて成長しては油浴に落ちている様子が見られた。すぐに対応しなければならないことは分かったが、先輩から注意を受けていたことを思い出していた。冷却管に流している水を止め、油の底に沈んでいる水をスポイトで吸い出すことにした。ただ、その作業をするには油浴に取り付けてあるパイプヒーターが邪魔であるので、一旦外に出すことにしたが、油が滴り落ちる状態で実験台の上に置くと実験台が油まみれになってしまう。そこで、キムワイプを実験台の上に敷き、その上にヒーターを載せた。
 学生が油浴を覗き込みながら、水滴をスポイトで吸い出していると、横を通りかかった先輩が慌てて「ヒーターから煙が出てんで!」と告げた。見るとヒーターの下に敷いたキムワイプが燻っていたのであった。

色々なことが気になるのは分かります。でも、最初にヒーターの電源をオフにすることを忘れてはいけませんよね。