魔法瓶


 魔法瓶は真空層を挟んだ二重構造をしており、熱伝導による温度変化を防ぎます。また、ガラス製の魔法瓶では、真空層の壁が鏡になっており、熱輻射を反射するようになっています。

 ある学生が実験室の整理をしていたところ、棚の奥からデュアー瓶が出てきた。埃を被っていたものの、拭き取るとガラス面も綺麗で十分に使えそうであった。「こんなん買うたら結構高いねんで」と後輩に説明しながら、トラップと冷媒を入れて使い始めた。
 しばらく何事もなく、日常が過ぎていったが、ある日、突然にボンという鈍い音とともに、ガラスの割れる音がした。見に行くと、そこには大破したトラップと割れた魔法瓶のガラスが冷媒と一緒に飛散していたのであった。

ガラス製の魔法瓶は真空になっていますので、少しでも傷が付いていると激しく割れます。場合によっては飛び散ったガラス片で怪我をすることもあります。一見、どうもなさそうであっても、古いガラス製のデュアー瓶は使わない方が良いでしょうね。