発掘


 試薬は種類が豊富です。中には危険なものもあり、その保管には細心の注意が必要になります。

 ある先生は定年退職してから数年が経過していた。ふとしたきっかけで、昔の荷物を整理していたら、箱の片隅から「毒物」と書かれた試薬瓶が未開封の状態で出てきた。誰かから譲り受けたものか、自分で購入したものかの記憶も定かではないが、当面の課題として目前にある試薬をどうするかを考えなければならなかった。
 そこで、近くの警察署に相談に行ったところ、元の大学に問い合わせて、保管記録があるかどうかを調べてみるように言われた。大学に電話して調べてもらったが、保管記録がないとのことであった。あれば、大学の方で処分してもらえたのに。試薬管理システムが導入された時に面倒臭く思って、入力してなかったのが仇になったようである。仕方がないので、警察から紹介してもらった業者に連絡を取って、自腹で処分をしなければならなかったのであった。

最近では、大学全体の試薬の管理状況が把握できるシステムが導入されている大学が多くなりました。急を要する場合、他の研究室に保管されている試薬リストを見て、借りに行けるなど便利なところもありますが、試薬を購入したり使い切ったりするたびに登録をしなければならないので、面倒臭く思う人は使いたがりません。しかし、試薬が問題を引き起こすこともありますので、面倒臭がらずに登録しておかなければなりませんよね。