いらんことしい


 「いらんことしい」とは、頼まれてもないのに要らんことを勝手にする人のことをいいます。それは人間だけでなく、コンピュータのソフトウェアもすることがあります。

 ある学生が論文を書いて投稿しようとしていた。ワープロのスペルチェックもマークが付いているところはない。本文は何回も目を通した結果、間違えていそうな箇所は見当たらなかった。そのような手順を踏んだ上で、満を持して投稿した。
 1ヶ月ほど経過したある日、審査結果が返ってきた。審査員の判断はいずれも「内容的には掲載可」であるとの返事。学生は喜んだものの、その後のコメントを見ると「タイトルが間違えていますので訂正して下さい」と書いてあった。慌てて、自分の投稿した原稿を見ると、「Electrophilic(求電子的な)」と書いたつもりであるのに、「Electronic(電子的な)」という言葉に替わっていた。しかも、そのような間違いは1ヶ所ではなかった。どうやらソフトが勝手に判断して、辞書にはない単語を似たスペルの単語に置き換えてしまったようである。学生は修正して、恥ずかしい思いをしながら再投稿をしたのであった。

ソフトウェアの機能には便利なものがありますが、あんまり信頼し過ぎると痛い目に遭うこともあります。上手に付き合っていくことが必要ですね。