五十歩百歩


 大学院に進学しますと、研究室内に後輩ができることになります。4回生からみると研究室内で実験している大学院生はすごくできる人に見えてしまいます。

 あるM1の学生が、研究室に新しく入って来た4回生にTLCの上げ方を教えていた。展開槽の中に入れているろ紙について説明を始めた。「これはTLCの板を立てかけた時に滑って倒れへんように入れてあるんよ。だから、展開溶媒に浸からへんようにセロテープで壁に貼付けておくんやで。」それを聞いた4回生は「なるほど〜」と納得していた。
 その会話を聞いていた先輩は、我慢しきれなくなり口を出した。「ちゃうちゃう、これは展開層の中を気液平衡にに達しやすくするために入れてるんやから、溶媒に浸けとかなあかんねん」それを聞いたM1と4回生の学生は2人そろって「なるほど〜」と納得していたのであった。

M1と言っても、その経験量と知識量はしれています。後輩に対していい格好をしたい気持ちも分からないこともありませんが、知ったかぶりをせずに、先輩や先生に素直に尋ねた方が良いですね。