実験室では、共有の機器があります。他の人に迷惑にならないように、丁寧に使うことはもちろんですが、１人が長時間独占してしまうのも避けなければなりません。
ある学生が濃縮をしようと思った。しかし、研究室にあるエバポレーターはいずれも使用中であり、順番待ちをしなければならなかった。そのうちの１台に「終わったら声を掛けて」という張り紙をして待っていたが、なかなかお声が掛からない。そうこうしているうちに、他のエバポレーターが空いたので、そちらを使って濃縮をした。
しかし、問題の回り続けているフラスコの中の溶媒が完全に除去されているのを見て、学生は改めて「他の人に迷惑をかけるようなことは、したらあかんで！」と憤った。そこで、エバポレーターの横に立って、フラスコを取りに来た学生を注意しようと待っていたが、なかなか現れない。その時、学生はフラスコに見覚えのある自分の字が書いてあるのに気付いた。自分が濃縮をしていて、外すのを忘れていたことを思い出すと同時に、フラスコを回収し、何事もなかったかのように自分の実験に戻ったのであった。
研究室は共同生活です。互いへの気配りは大切にするようにしましょうね。