雪国


 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」と小説「雪国」でも書かれているように、トンネルの前後で大きく様子が異なると、小さいながらも驚きがあるものです。

 ある学生が反応を仕込もうとしていた。使用する試薬は全て液体であり、少量であったので、注射器を用いることにした。いくつかの試薬をフラスコに入れた。残るは硝酸のみである。
「学生が注射器で吸い上げたところ、瓶の中は無色であるのに、注射器の中に吸い上げられてきたのは緑色を呈していた。注射針の金属表面が硝酸で溶かされたのは一目瞭然である。そのようなものを反応混合物に加えることもできないので、別の方法を考えなければならなかったのであった。

金属はよく酸に溶けます。ということは、酸を扱う際に、金属製のものはできるだけ用いない方が良いということです。そのような場合はできるだけガラス器具を用いるようにした方が無難ですね。