百舌の早煮え


 最近ではあまり見かけなくなった光景ですが、百舌(もず)という鳥は、捕まえた虫やトカゲなどを尖った枝などに突き刺す習性があります。後で食べるつもりで挿しているのかどうかは不明ですが、忘れてしまっているらしく、そのまま放置されていることがよくあります。

 ある学生が試験管を使って実験をしていた。しばらく放置してから、変化する様子を見ようと思ったが、試験管を立てておく場所が見当たらない。ジャッキが実験台の上にあるのを見て、「これや!」と思った。学生はジャッキの伸びた足の間に突き刺した。「こんな場所を有効利用するということは、他の人は気がつかへんやろなあ」と、自画自賛をしていた。
 数時間後、学生は別の反応を止める時間になっていることに気付いた。フラスコを加熱している油浴を下げるために、ジャッキを下げた。「少し手応えがあるな」と思った瞬間、研究室中に響き渡るような音で、試験管が砕け散ったのであった。

実験スペースが少ない人は、場所を有効に使って工夫をしなければなりません。でも、物陰にものを置いたりしますと、思わぬトラブルが起こることもありますので気をつけましょう。