危ない雰囲気の中で噴き出したりしますと、ある程度心の準備ができているものですが、そのような気配がない状態での噴出は周りに恐怖を与えてしまいます。
ある学生がエバポレータで濃縮をしていた。溶液を入れたナス型フラスコを装着し、スクリューコックで減圧度を調整して回転させた。しかし、コックを締め過ぎていたようである。フラスコ内は減圧されておらず、溶液の重みでフラスコは水浴の中へ落ちていった。その瞬間、突然水浴の水が噴き上げた。あまりにも突然のできごとに、濃縮していた学生のみならず、周囲の学生達も凍り付いてしまったのであった。
これはジクロロメタンを濃縮していたために起こった事故です。ジクロロメタンは水よりも比重が大きいために沈みます。水浴がジクロロメタンの沸点（43℃）よりも高い温度に加熱されていた場合、沸騰して自分より上の水を持ち上げて噴き上げたのです。面倒なようでも、フラスコを留めるジョイントを使うべきですね。