「噴ろしい」は「いきどおろしい」と読むそうです。憤怒、憤慨、噴水、噴出、噴火などに見られるように「噴」という字は、いずれも内部に蓄えたエネルギーを一気に放出する様を表しているようです。

 ある大学では、月に1度、研究室で出てきた実験廃液を学内の貯蔵所まで運び、それを業者が引き取るというシステムを採っていた。ある12月の寒い日、学生達はいつものように無機廃液の入ったポリタンクを運び、研究室に戻ってくつろいでいた。その時、先生の机の電話が鳴った。受話器を取った先生は、近くにいた学生達に、「すぐに廃液の貯蔵所まで行ってくれ!」と叫んだ。その切羽詰まった雰囲気に、学生達は詳しい事情を訊く間もなく、貯蔵所まで急行した。
 貯蔵所に着くと、学生達は言葉を失った。無機廃液を入れたポリタンクから中身が噴出して、天井から硝酸酸性の廃液が滴り落ちていた。ポリタンクを運搬している間に揺さぶられ、廃液の中で何かしらの反応が起こり、発生したガスが逃げ場を求めて、噴き上げたのである。学生達は、雪がちらつく寒さの中、ホースで天井や壁を洗いながら、その廃液を回収する作業を行なったのであった。

廃液溜めには色々な人が色々なものを混ぜている可能性があります。静置していて、何も変化がないからといって、必ずしも安全であるとは限りませんので、内部に圧がかかっていないかなどを、こまめにチェックしておくべきですね。