高校でも習いますが、タンパク質や芳香環を有するアミノ酸を検出するキサントプロテイン反応があります。硝酸によりベンゼン環がニトロ化され、黄色に着色するかどうかで判別します。
ある学生が発煙硝酸を用いて反応を仕込んでいた。初めて扱うので緊張気味であった。蓋を開けると茶色い煙が出てくる様子を見て、さらに緊張をしてしまった。メスシリンダーに漏斗を挿して、発煙硝酸を計り取るのもこわごわで、そろ〜っと瓶を傾けて注ごうとしたら、漏斗に入らなかった滴が瓶の表面を伝って持っている手に付いてしまった。
学生は慌てて流しに行って手を洗ったので、痛みを生じるなどの問題もなく普段通りに実験を続けることができた。しかし、手を見ると指先が黄色くなっており、「これがキサントプロテイン反応かあ」と、習ったことのある反応を自分の体で確認したことに妙な感動を覚えたのであった。
実験に慣れていない人にありがちなのですが、慎重になり過ぎてこわごわ扱ったがために、逆にこぼしてしまうということがあります。ある程度の思い切った方がうまくいきます。でも、勢いが良過ぎても危険ですので、ほどほどに。