誰しも失敗をするものです。その時、後片付けを手伝ってもらいますと非常に嬉しいですし、逆に他の人が失敗をした時は手伝ってあげようと思うものです。
ある学生がドラフトチャンバーに実験装置を組み立てていた。一通り完成したので、ドラフトの扉を下ろして閉めた。その時、扉が油浴を引っ掛けてあたり一面油まみれになってしまった。どうやら実験装置を手前に組み過ぎていたようである。その光景を見た他の学生は、笑いながらも後片付けを手伝い始めた。それ以外の学生も傍観しているだけでは気が引けるので、手伝いに参加した。それだけ多くの学生が手伝ってくれるのは良いことではあるが、少々混雑し過ぎた。
一人の学生が油の付いたスタンドをドラフトから運び出そうとしたが、周囲の人の服に付けたらいけないので、注意深くドラフトから出し、人気の少ないところに持って行こうとした時、「ボコッ!」という音が足元から聞こえた。下を見ると、床に置いてあったデシケータの側面にひび割れが生じていた。他に注意をするあまり、足元への注意が疎かになっていたのである。デシケータは捨てざるを得ず、油浴をひっくり返した学生に加えて、もう一人、落ち込んだ学生が増えたのであった。
作業するにはスペースのゆとりが必要ですよね。心のゆとりも生まれますので。